① 一方通行の改札 ― 電池の向きで点灯/消灯
電子(流れる向きに動く)
電池の向きを切り替えると、電球が点いたり消えたりします
② 交流→整流 ― ぐにゃぐにゃの波が「片側だけ」になる
入力(交流:プラスとマイナスを行き来)
出力(ダイオード通過後)
ダイオードは順方向(+側)だけ通し、逆方向(−側)は止めます。
だから上下に揺れる交流が、山だけ残った片側の波になります。
これが整流=交流を直流に近づける最初の一歩。
コンセントの交流をスマホやPCが使える直流に変える「電源アダプタ」の中で、まさにこれが起きています。
0.7V近似モデル:本物のダイオードは、順方向に約0.7Vかからないと通り始めません。
だから出力は入力より0.7Vぶん低く(てっぺんが少し削れて)、
0.7Vに届かない小さな山は出てきません。この「0.7Vの段差」を見込むのが回路設計での定番の近似です。
③ I-Vカーブ ― 電圧を上げ下げすると電流はどう動く?
横軸=かけた電圧、縦軸=流れた電流。点が左右に動きます。
順方向(右)は、しきい電圧を超えたところから電流が流れ始め、一気に立ち上がります。
しきい電圧より手前では、電圧をかけてもほとんど流れません(カーブが地面に張り付いている)。
逆方向(左)もほとんど流れず横ばい。
この「しきいを境に、急に流れ出す」非対称な形こそ、ダイオードの整流のしくみそのものです。
(「あるラインを超えると一気に」は、第9週MOSのしきい値にもつながる感覚です)
④ 崖でキャリア ― なぜ一方通行になるのか(第6週の発展)
電子
正孔
上ほどエネルギーが高い(標準形・電子は沈むボール)
第6週の崖をそのまま使います。順方向=崖が低くなり、キャリアが越えて流れ続ける。
逆方向=崖が高くそびえ、登れずに跳ね返る。
ダイオードの一方通行は、この「崖を越えられる向き/越えられない向き」の差から生まれます。
崖は垂直ではなく空乏層の幅のぶん、なだらかな坂になっています(順方向は空乏層がせまく坂も短い/逆方向は空乏層がひろく坂も長い)。
(得意な人向け:平衡でそろっていた左右のフェルミ準位は、かけた電圧のぶんだけ上下にずれます。順方向はp側が低く・逆方向はp側が高くなります)