短チャネル効果(図解①)への答え=「ゲートでチャネルを何面から囲むか」を増やしていく
これまでのMOS=チャネルの「上1面」だけゲートが乗っている
断面で見ると、チャネル(電流の通り道)の上に酸化膜+ゲートが乗っているだけ。チャネルの下のほうはゲートから遠く、支配が届きにくい。だから図解①で見た「ドレインの電界の侵入=リーク」が起きやすい。
断面図:ゲートが囲んでいるのは赤くハイライトした「上1面」だけ
FinFET=チャネルを「ヒレ(Fin)」に立てて、3面から囲む
チャネルを魚のヒレ(Fin)のように縦に立て、ゲートを左・上・右の3面にかぶせます。3方向から握るので、上1面だけの平面MOSよりずっとチャネルを支配でき、リークが減ります。22nm世代あたりから主役になりました。
断面図:立てたヒレ(チャネル)を、ゲートが左・上・右の3面(赤ハイライト)から囲む
GAA/ナノシート=チャネルを薄い板にして、全周(4面)を包む
チャネルを薄いシート(ナノシート)にして、その全周をゲートでぐるりと包みます。GAA=Gate-All-Around(全周ゲート)。逃げ場がないほどチャネルを握るので、短チャネル効果をほぼ抑え込めます。さらにシートを上下に積み重ねて電流を稼ぎます。2nm世代の主役です。
断面図:薄いシート(チャネル)の全周をゲート(赤ハイライト)が包む。シートは上下に積める
3つ並べて一望:囲む面が増えるほど、チャネルをしっかり握れる
同じチャネルを、ゲートが何面から囲んでいるか。1面→3面→全周と増えるほど、ゲートの支配(赤ハイライト)が増え、リーク(漏れ)の矢印が細っていきます。
| 平面MOS | FinFET | GAA/ナノシート | |
|---|---|---|---|
| ゲートが囲む面 | 1面(上だけ) | 3面 | 全周(4面) |
| チャネルの形 | 平ら(寝ている) | ヒレ(立てる) | 薄いシート(積める) |
| 支配の強さ | 弱い | 強い | 最強 |
| リーク | 起きやすい | かなり減る | ほぼゼロ |
| 主な世代 | ~28nm 頃 | 22~5nm 頃 | 2nm 世代~ |